日記

DIARY

 むかしむかしあるところに、立派な口ひげを生やしたおじいさんとぽっちゃりしたおばあさんがいました。

 おじいさんはリャマで芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に行きました。

 おばあさんが川で洗濯をしていると、ブエノスディアス、ブエノスディアスと大きなアガベ(多肉植物でテキーラの原料)が流れてきました。

 「おや、これは良いテキーラになるわ」

 おばあさんは大きなアガベを家に持ち帰りました。

 そして、おじいさんとおばあさんがテキーラにしようとアガベを切ってみると、中から元気のいい男の子が飛び出してきました。

 「これはきっと、ケツァルコアトルが与えてくださったにちがいない」

 子供のいなかったおじいさんとおばあさんはマリアッチ(つばの広い帽子)を被り、マラカスをもって踊り、全身で喜びを表現しました。

 アガベから生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんはメヒコ太郎と名付けました。

 メヒコ太郎は、やがて強い男の子になりました。

 そしてある日、メヒコ太郎が言いました。

 「ぼく、悪いマフィアを倒しに行きます。」

 そして、おばあさんにトルティーヤチップスを作ってもらい、出かけました。

 途中で、麻薬犬に会いました。

 「hora(オラ)!メヒコ太郎さんどこへ行くんですか?」

 「マフィアを倒しに行くんだ」

 「それでは、お腰に付けたトルティーヤチップスを1枚ください。おともしますよ」

 麻薬犬はトルティーヤチップスをもらい、メヒコ太郎の犬にとなりさがりました。

 そして、今度は猿に出会いました。

 「hora(オラ)!メヒコ太郎さん、どこへ行くのですか?」

 「マフィアを倒しに行くんだ」

 「それでは、お腰に付けたトルティーヤチップスを1枚ください。おともしますよ」

 そしてこんどは、キジに出会いました。

 「hora(オラ)!メヒコ太郎さん、どこへ行くのですか?」

 「マフィアを倒しに行くんだ」

 「それでは、お腰に付けたトルティーヤチップスを1枚ください。おともしますよ」

 こうして、麻薬犬、猿、キジの仲間を手に入れたメヒコ太郎は、ついにマフィアと対峙することになりました。

 マフィアのアジトでは、幹部達が白い粉をパケ詰めする作業の真っ最中です。

 「みんな、ぬかるなよ。それ、かかれ!」

 麻薬犬はマフィアの首にかみつき、サルはアボガドを投げつけ、キジはくちばしでマフィアの目をつつきました。

 そしてメヒコ太郎も、ルチャリブレで大立ち回りです。

 とうとうマフィアの親分が、

 「まいった。こうさんだ、命だけは取らないでくれ。」

と、手をついてあやまりました。

 メヒコ太郎は一言、

 「アディオス」

 と言って、頭を捻り上げ頚椎を折りました。

 メヒコ太郎と麻薬犬とサルとキジは、マフィアから取り上げた汚れた現金を回収して、元気よく家に帰りました。

 おじいさんとおばあさんは、メヒコ太郎の無事な姿を見て大喜びです。

 そして三人は、汚れたお金を資金洗浄して幸せにくらしましたとさ。

 いろんなバージョンの桃太郎を書いている人がいたので真似して書いてみました。

 メキシコ版の桃太郎を書いてみたけど難しいです。

 みんなもぜひ挑戦してみてください。

投稿日:2020/11/02投稿者:-