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第三十九回 短編小説 ~彦星より愛をこめて~

 私は悩んでいた。

 何がいけなかったのだろうか。果たして理由はなんなのだろうか。

 心当たりは掃いて捨てるほどあるのだが、決定的となった理由がわからない。

 おそらく、一生考えてもこの問いに対する答えは出ないのだろうと思う。

 

 私は悩んでいた。

 つい二日前までは普通だったのに、なぜこんな結末を迎えることになったのだろうか。

 この二日の間に、内偵でもされており、内偵の結果が惨憺たるものだったのだろうか。

 

 わからない。わかるはずもないのだが、考えずにはいられない。

 何度、意味のない自問自答を繰り返しただろうか。

 私は一つの考えにたどり着いた。

 

 そもそも私ほど聡く、ユーモアもあり、眉目秀麗であり、前向き思考の人物は非常に数少ないであろう。

 そんな男性を手放す方の身になって考えると、身が引き裂かれる思いをしながら苦渋の決断だったろうと思う。

 面と向かって話をしていないので、はっきりしたことは分からないが、おそらく嗚咽しながらのライン送信だったことは想像に難くない。

 

 私は心配になった。

 身の裂かれるような思いをして決断を下したのはいいが、後悔の念に苛まれてはいないだろうか。

 私のせいで、心労が絶えないことになっているとすれば、非常に心苦しい。

 万一、心がズタボロの状態で連絡が来たときは優しく迎えてあげようと固く心に誓ったのであった。

 今のところ依然として連絡は来ないので、思い余って身投げしたのではないかと心配しているとこである。

 

 なにはともあれ、結果はすでに出ている。一つの試合が終わったのだ。そして私は勝負には勝ったが、試合には負けたのだ。

 敗因を考えるのも大事だが、勝負に負けた場合は次の試合のために練習をすることのほうが大事なのではないだろうか。

 

 そして、私は七月七日の七夕に練習試合を組んだ。

 テーブルという天の川をはさみ、ワールドカップよりも熱い熱戦が繰り広げられることであろう。

 まだ見ぬ織姫に出会えることを信じ、今日も夜空を見上げ星に願いを込める私は、さながら彦星のようである。

 

 おわり。

投稿日:2018/06/22   投稿者:-